マイナンバーカードと運転免許証の一体化が2025年3月24日から開始されました。その中で、そのデメリットは何かを解説してきます。特に、IDとしての利便性やプライバシーの懸念、免許証利用時のトラブルなどを考察します。情報不足の中での不安を解消するために、これからマイナ免許証を取得しようと検討している方々に向けたコラムとなっています。

マイナ保険証とは何か？

マイナ保険証とは、マイナンバーカード（個人番号カード）のICチップに運転免許証の情報を記載することで、マイナンバーカードを運転免許証として利用できる制度です。

この制度は2025年3月24日から開始されました。

　概要　

形式：

・マイナンバーカードのICチップに免許情報を記録。カード表面には免許情報が記載されない。

選択肢：

・マイナ免許証のみ保有

・従来の運転免許証とマイナ免許証の両方保有

・従来の運転免許証のみ保有

記録される情報：

・免許番号、種類、有効期間、条件、顔写真など

利用方法：

・運転時にマイナンバーカードを携帯し、専用端末やアプリで情報確認可能

　導入背景　

1.行政手続きの簡素化

　・マイナンバーカードと運転免許証を一体化することで、住所変更などの手続きをワンストップで行えるようになります。これにより、手続きの手間と時間を大幅に削減できます。

・運転免許更新時のオンライン講習が可能になり、自宅などで講習を受けられるようになります。

・各種手続きをオンライン化することで、行政側の業務効率化を図り、コスト削減につなげます。

・マイナンバーカードの活用を促進することで、行政サービスのデジタル化を推進します。

2.本人確認の高度化

・ICチップを活用することで、運転免許証の偽造・変造を防止し、より安全な本人確認を可能にします。

マイナ免許証の導入に伴う具体的なデメリットは？

1.情報漏えい・悪用のリスク

・マイナンバーカードに運転免許情報を紐づけるため、個人情報が一元化され、情報漏えいや悪用された場合のリスクが高まる可能性があります。

・特に、紛失や盗難に遭った際には、悪用される危険性が高まります。

2.再発行に時間がかかる

・マイナンバーカードを紛失した場合、再発行に時間がかかり、その間は運転免許証も使用できなくなります。

・再発行には、1ヶ月半ほどの期間を要する場合もあります。

3.民間事業者での対応遅れ

・マイナ免許証のICチップ情報を読み取るには、専用の読み取り機が必要となります。

・民間事業者への読み取り機の普及が遅れた場合、レンタカーの利用時や就職時の身分証明書として利用できない場合があります。

4.運転免許証の有効期限が確認しにくい

・マイナ免許証には、運転免許証の有効期限が記載されないため、有効期限の管理が煩雑になる可能性があります。

・うっかり更新を忘れてしまい、無免許運転になってしまうリスクもあります。

5.海外で利用不可の可能性

・ICチップを活用した身分証明書は、国際的な標準化がすすめられており、今後マイナ免許証が国際標準に準拠すれば、海外での利用も可能になるかもしれません。

6.併用する場合、更新の手間が増える可能性

・マイナ免許証と従来の運転免許証を併用する場合、それぞれの更新手続きが必要となり、手間が増える可能性があります。

マイナ免許証の導入に伴う具体的なメリットは？

1.住所変更などの手続きの簡素化

・マイナンバーカードと運転免許証を一体化することで、住所変更などの手続きを市区町村への届け出のみで完了できるようになります。これにより、警察署などへの届け出が不要となり、手続きの手間と時間を大幅に削減できます。

2.運転免許更新時のオンライン講習

・マイナ免許証を保有している場合、運転免許更新時の講習をオンラインで受講できるようになります。これにより、自宅などで都合の良い時間に講習を受けられるようになり、更新手続きの利便性が向上します。

3.更新手数料の割引

・マイナ免許証のみを保有する場合、運転免許の更新手数料が従来よりも安くなります。

4.運転免許証の携帯が1枚にまとまる

・マイナンバーカードと運転免許を一体化することで、運転時に2枚のカードを携帯する必要がなくなり、管理が容易になります。

マイナ免許証と従来の運転免許証の違いは何？

マイナ免許証の有効期限の確認の仕方を解説

1.マイナポータルでの確認

・事前に運転免許センターまたは警察署でマイナポータルとの連携手続きが必要です。

・マイナポータルにログインすることで、有効期限を含む運転免許情報を確認できます。

2.マイナ免許証読み取りアプリでの確認

・スマートフォンに「マイナ免許証読み取りアプリ」をインストールし、マイナ免許証のICチップ情報を読み取ることで確認できます。

・確認には、ご自身で設定した4桁の暗証番号が必要です。

📍注意点　

・マイナンバーカードとマイナ免許証の有効期限は異なります

・有効期限切れにはご注意ください

詳しくは、以下のウェブサイトをご確認ください。

• デジタル庁：マイナンバーカードの運転免許証利用
  • https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/drivers-license
• 警察庁：マイナンバーカードと運転免許証の一体化について
  • https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/individual_number.html

マイナ免許証の導入で、免許更新の講習スタイルが変わる！？

オンライン講習に

1.自宅での受講可能：

・従来は運転免許試験場や警察署で対面講習を受ける必要がありましたが、マイナ免許証を保有している場合、オンラインで講習を受け入れられるようになります。

・スマートフォンやパソコンを使い、24時間いつでも好きな時間に受講可能

2.対象者：

・優良運転者（ゴールド免許取得者）および一般運転者が対象

・70歳以上の高齢者は対象外

3.手続き要件：

・マイナンバーカードに記録された署名用電子証明書を警察に提出し、マイナポータルとの連携手続きを行う必要がある。

・講習中は端末の内蔵カメラで顔認証を行い、不正受講を防止。

4.費用削減：

・オンライン講習では講習手数料が安くなり、優良運転者の場合500円から200円に軽減されます。

ただし、

視力検査や適性検査はこれまで通り

・視力検査や適性検査はオンラインでは実施できないため、更新時には運転免許試験場や警察署でこれらの検査を受ける必要があります。

マイナ免許証の導入でオンライン講習の受講時間はどれくらいかかる？

オンライン講習の受講時間は、講習区分によって 異なります。

・優良運転者講習：約30分

・一般運転者講習：約40分から60分。

　一般運転者は、優良運転者講習の内容に加えて運転適性診断も含まれるため、時間が長くなります。

オンライン講習は好きな時間に受講可能で、途中で中断しても再開できるため、柔軟に時間を調整できます。ただし、受講結果がシステムに反映されるまでに10分程度の時間がかかることがあります。

マイナ免許証発行手続きの仕方

1.事前準備

・マイナンバーカードの準備（マイナンバーカードをお持ちでない場合は、市区町村で申請・取得する必要があります。

・マイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワード（6～16桁の英数字）を確認しておきます。

2.手続き場所

・住所地の運転免許センター

・一部の警察署

3.手続き内容

・窓口でマイナ免許証の発行を申請し、マイナンバーカードと運転免許証を提示します

・署名用電子証明書のパスワードを入力し、本人確認を行います

・マイナポータルとの連携手続きを行います（任意）

行政が行う手続き

1.マイナンバーカードのＩＣチップに運転免許情報を記録します

2.署名用電子証明書と免許情報を紐づけ、マイナポータルとの連携を行います

3.マイナ免許証に関する情報を安全に管理します

マイナ免許証と免許証を2つ持つことは可能か？その際のメリットデメリットは？

マイナ免許証と従来の免許証を両方持つこと（2枚持ち）は可能です。これは任意で選択できる保有方法の1つであり、それぞれの特徴を活かして使い分けることができます。

メリット

1.使い分けが可能

・マイナ免許証はデジタルサービスやオンライン講習に便利

・従来の運転免許証は、カードリーダーがない場面（例：レンタカー利用時）や即時確認が必要な際に役立ちます

2.紛失時のリスク軽減

・どちらかを紛失しても、もう一方が残るため、身分証明や運転に支障をきたしにくい

3.柔軟な携帯選択

・運転時にはどちらか一方を携帯すればよいため、状況に応じて選べます

デメリット

1.更新手続きの手間が増える

・マイナ免許証と従来の運転免許証は、それぞれ別々に更新手続きが必要です

・両方の有効期限が異なるため、更新時期がずれる可能性があり、その都度手続きを行う必要があります

2.手数料が高くなる

・併用する場合、更新時の手数料が単独で保有する場合よりも高くなります（例：マイナ免許証のみ2,100円、従来の免許証のみ2,850円、併用時は2,950円）

3.管理が煩雑になる

・２枚のカードを管理する必要があり、紛失や盗難のリスクが増す

・場面によってどちらを提示すべきか迷う可能性があります

4.住所変更手続きの複雑化

・住所変更時には警察署で従来の免許証とマイナ免許証それぞれに対応する必要がある

これまでの免許証は今後使えなくなる？

現在の制度

・2025年3月24日からマイナ免許証の運用が開始されますが、これは従来の運転免許証を置き換えるものではありません。

・従来の運転免許証も引き続き有効であり、希望者は従来型の運転免許証を保有し続けることができます。

・マイナ免許証は、あくまで運転免許証のデジタル化による利便性向上を目指したものであり、国民に選択肢を提供するものです。

今後の可能性

・将来的に、技術の進歩や社会情勢の変化によって、運転免許証のデジタル化がさらに進む可能性はあります。

・しかし、現時点では、従来の運転免許証が完全に廃止されるという具体的な計画や議論はありません。

参考情報

警視庁ホームページ: マイナ免許証について

• https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/faq/koutuanzen/mynumber.html