派遣とは何なのか、どんな仕組みで成り立っているのか、メリットやデメリットは？といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、派遣について全く知らない方でも理解できるよう、分かりやすく解説していきます。派遣の仕組み、派遣社員のメリット。デメリットなど派遣に関する基礎知識を網羅します。派遣を検討している方、派遣についてもっと詳しく知りたい方、ぜひ一読ください。

派遣を検討している方、派遣についてもっと詳しく知りたい方、ぜひ一読ください。

派遣とは？基本的な意味と仕組

出典：日本経済新聞

派遣の基本的な意味

派遣とは、派遣会社に雇用された人が、別の企業（派遣先）で働くことをさします。派遣社員は、派遣先の仕事に従事しますが、雇用主は派遣会社になります。

派遣の仕組み

派遣の仕組みは以下の3つの要素で成り立っています。

1.派遣会社（派遣元）

2.派遣先企業

3.派遣社員（労働者）

簡単にこの3者の関係性を説明すると

1.派遣会社が派遣社員を雇用します

2.派遣会社は派遣先企業と契約を結びます

3.派遣社員は派遣先企業で働きます

派遣の特徴を説明すると

1.雇用主は派遣会社

2.仕事の指示は派遣先企業から受ける

3.給与は派遣会社から支払われる

4.契約期間が定められている場合が多い

派遣と他の雇用形態の違い

派遣社員vsアルバイト

雇用主の違い

・派遣社員：派遣社員は派遣会社と雇用契約を結びます。派遣先企業で働く際の指示は派遣先から受けますが、給与や雇用条件は派遣会社が管理します。

・アルバイト：アルバイトは働く企業と直接雇用契約を結びます。業務の指示も給与支払いも直接働く企業から行われます。

契約期間の違い

・派遣社員：契約期間は、数か月から数ねんと様々。派遣は派遣法により、同じ派遣先企業での勤務期間に制限があります。

・アルバイト：アルバイトの場合、勤務期間に制限はなく、短期から長期まで企業によって異なります。

契約内容の違い

・派遣社員：業務内容、勤務時間、賃金などが詳細に契約書で定められています。

・アルバイト：業務内容や勤務時間は比較的柔軟で、口頭での指示も多いです。

福利厚生の違い

・派遣社員：社会保険や有給休暇、健康診断などの福利厚生が受けられます。また、一般的に、アルバイトよりも時給が高い傾向があります。

・アルバイト：福利厚生は働く企業に依存します。社会保険や有給休暇は、労働時間や勤務日数によって提供される場合がありますが、派遣社員ほど充実していないことが多いです。

派遣社員vs契約社員

雇用主の違い

・派遣社員：派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働きます。

・契約社員：働く企業と直接雇用契約を結びます。

契約期間の違い

・派遣社員：契約期間は、数か月から数年と様々。派遣法により、同じ派遣先での就業期間に制限がある。

・契約社員：契約期間は、短期から長期まで企業によって異なります。正社員登用を前提として契約社員の場合、数年単位の契約が一般的。

契約内容の違い

・派遣社員：派遣契約で定められた業務を行います。業務内容の変更には、派遣会社、派遣先企業、派遣社員の3者の合意が必要です。契約更新時には、派遣会社を通じて派遣先企業との調整が行われます。

・契約社員：正社員と同様に、幅広い業務を行います。業務内容の変更は、契約社員と働く企業の合意が必要です。契約期間満了時に、働く企業との直接交渉での更新の可否を決定します。

福利厚生の違い

・派遣社員：社会保険や有給休暇、健康診断などの福利厚生が受けられます。正社員と年収を比べると低い傾向があります。

・契約社員：正社員と同様、働く企業が提供する福利厚生を受けることができます。正社員と年収を比べると低い場合が多いですが、企業によって差が大きいです。

派遣と請負の基本的な違い

仕事の目的

・派遣：労働力を提供することが目的です。つまり、働く時間と能力を活用して働きます。

・請負：特定の成果物やサービスを提供することが目的です。たとえば、完成品や業務の成果を収めることが求められます。

契約期間

・派遣：通常、数か月単位で契約期間が明確に決められます。

・請負：成果物の納期が期限として設定されます。プロジェクトの完了までという形になることが多いです。

派遣と出向の違い

派遣と出向は、働く場所が異なる企業であるという点では似ていますが、雇用契約の形態や目的、期間に違いがあります。

雇用契約

・派遣：派遣社員は派遣会社（派遣元）と雇用契約を結びます。派遣先企業で働きますが、雇用主は派遣会社です。派遣先企業から業務の指示を受けますが、給与や福利厚生は派遣会社から提供されます。

・出向：出向には「在籍出向」と「転籍出向」の2種類があります。

　在籍出向→出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結びます。出向元企業に籍を残しながら、出向先企業で働きます。出向先企業の指揮命令を受け、一定期間後に出向元に戻ることが一般的です。

　転籍出向→出向元企業との雇用契約を解消し、出向先企業と新たに雇用契約を結びます。実質的には転職と同じ状態になります。

目的と期間

・派遣：労働力を提供することが目的で、契約期間は数か月から数年です。

・出向：従業員のスキルアップや経験を積むことが目的です。在籍出向の場合、期間は数年に及ぶ事が多く、出向元に戻ることが前提です。期間に制限はありません。

指揮命令と業務内容

・派遣：派遣先企業が指揮命令を行い、業務内容は派遣契約に記載されている業務を行います。

・出向：出向先企業が指揮命令を行いますが、在籍出向の場合、出向元企業も一定の人事権を持つことがあります。業務内容は出向先で決められます。

3つの派遣の種類と特徴

1.有期雇用派遣（登録型派遣）

・特徴：派遣会社と期間を定めた雇用契約を結びます。契約期間は3ヶ月や6ヶ月の短期から中長期が一般的です。契約満了時に更新が必要です。

・メリット：契約の期間を選べるので働く自由度が高いです。未経験の職種にも挑戦しやすいです。

・期間：同一の派遣先での勤務は最長3年とされています（無期雇用派遣になれば、延長で就業可能）

2.無期雇用派遣（常用型派遣）

・特徴：派遣会社と無期限の雇用契約を結びます。派遣先が変っても雇用は継続されるため、安定した雇用が期待できます。

・メリット：雇用が安定しており、長期的なキャリア形成が可能です。

3.紹介予定派遣

・特徴：派遣社員として一定期間（最長6ヶ月）働いた後、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことを前提とした派遣形態です。

・メリット：派遣先企業での働きぶりを見たうえで、直接雇用に切り替えられるため、企業とのミスマッチを防げます。

派遣で働くメリットとデメリット

派遣のメリット

・様々な職場を経験できる

・高収入が期待できる場合がある

・派遣会社によるサポートが受けられる

・スキルアップの機会が得られる

・正社員への転職のきっかけになることも

派遣のデメリット

・雇用が不安定な場合がある

・福利厚生が正社員に比べて少ないことがある

・キャリアアップが難しい場合がある

派遣社員として働く際の具体的な6つの流れ

1.派遣会社への登録

自分が希望する条件を持っている派遣会社に登録します。登録には履歴書や職務経歴書の提出が必要です。派遣会社は、スキルや希望条件をヒアリングし、仕事を紹介します。

2.仕事の紹介とマッチング

派遣会社から、スキルや希望にあった派遣先企業の求人が紹介されます。派遣会社に応募した際の希望の案件に紹介される場合がほとんどですが、ミスマッチの場合、派遣会社がヒアリング内容を元に、他の案件を紹介してくれる場合もあります。

仕事内容や条件を確認し、興味がある場合は派遣会社を通じて応募します。

3.派遣先との顔合わせ

派遣先企業との顔合わせが行われます。これは面接に近いもので、ここでお互いの条件が合えば、次のステップに進みます。

4.契約の締結

派遣会社と「労働者派遣契約」を結びます。この契約には、就業条件や業務内容が明記されており、派遣先企業との間で個別契約が結ばれます。

５.派遣先での勤務開始

契約が締結されたら、派遣先企業での勤務が始まります。派遣先企業の指示に従って業務を行いますが、雇用主は派遣会社であるため、給与や福利厚生は派遣会社から提供されます。

6.契約更新または終了

派遣期間が終了する際は、派遣会社と派遣先企業での契約の更新が検討されます。更新されない場合は、新たな派遣先を探すことになります。

派遣についてよくある質問

質問①派遣社員はどのような仕事をしますか？

・事務職、製造業、IT関連、販売など、様々な職種で働くことができます。派遣会社によって取り扱っている職種が異なります。紹介する求人の中から、自分に合った仕事を選ぶことができます。

質問②派遣社員になるにはどうすればいいですか？

・派遣会社に登録するのが一般的です。求人情報を見て、応募、面接を経て採用となります。

質問③派遣社員の給料はどのくらいですか？

・職種、経験、勤務地などによって大きく異なります。派遣会社に問い合わせると、より詳しい情報を得られます。

質問④派遣で働くのが向いている人はどんな人ですか？

・高時給で働きたい人

・正社員への転職を考えている人

・様々な職場や職種を経験したい人

質問⑤派遣で働くのに向いていない人はどんな人ですか？

・長期的な安定を求める人

・収入の安定を求める人

・昇給や昇進を重視する人

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出典：アスタワーク

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派遣法の概要と今後の派遣法の展望

派遣法とは

派遣法は精機名称を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣聾者の保護等に関する法律」といい、派遣社員を守るための法律です。

派遣法の主な目的

・派遣社員の労働条件を守る事

・派遣会社の適正な運営を確保すること

・派遣先での適切な就業環境を確保すること

今後の派遣法の展望を予想

・同一労働同一賃金の強化

　派遣社員と正社員の待遇格差を是正するための取り組みがさらに強化される可能性があります。これにより、派遣社員の賃金や福利厚生が正社員に近づくことが期待されます。

・キャリア形成支援の強化

　派遣元企業に対して、派遣社員のスキルアップやキャリア形成を支援する義務が強化される可能性があります。これにより、派遣社員の就業能力の向上が図られることが期待されます。

・テレワークへの対応

　コロナ禍を経て普及したテレワークに関して、派遣就業においても明確なガイドラインや規定が設けられる可能性があります。これにより、派遣社員がリモートワークを行う際の労働条件が整備されることが期待されます。

木村：KIMURA/ アスタリスク、人材戦略グループ長　広告・人事担当

PROFILE：木村瞳。1985年生まれ。岡山県出身。大学卒業後ユニクロに入社し、採用や育成を担当。現職のアスタリスクへ2014年入社。面接や育成は通算15年以上携わっています。アスタリスクに入社してからは数多くの企業様へ訪問し人材コンサルの支援をさせて頂いています。その経験を活かし、現在は管理職として、幅広い職種の方の転職をサポートしています。

MESSAGE：取引先にも求職者の方にも忖度しないこと。良い情報も悪い情報も、お話しし、その方にとって間違いのない選択。リスクの低い選択をご提案できるように心がけています。