本記事では、派遣社員が扶養内で働く方法について解説します。派遣社員は扶養内で働くことができると、所得税の減税を始めとした様々なメリットが得られます。扶養内で働くための条件も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

派遣が扶養内で働くための条件

派遣社員が扶養内で働くためには、以下の条件を満たす必要があります。

• 年収が130万円未満
• 国内に在住している
• 3親等以内の親族の扶養に加入している

それぞれ詳しく解説します。

年収が130万円未満

最も重要な条件は年収が130万円未満であることです。この金額は、日本の所得税法や社会保険法において、扶養控除の基準となっています。年収が130万円を超えると、扶養家族としての資格を失うだけでなく、配偶者控除や扶養控除の恩恵を受けることができなくなります。

つまり、税金の負担が増える可能性があるため、扶養内で働くことを考えている派遣社員は、自身の収入がこの額を超えないようにしっかりと管理しなければいけません。具体的には、月収を約10万8千円程度に抑えることが大切です。

国内に在住している

国内に在住していることも重要な条件です。扶養内で働くためには、居住地が日本国内である必要があります。これは税法や社会保険の適用が日本の法律に基づいているためです。

海外に居住している場合は、日本の扶養制度の対象外となるため、注意が必要です。特に、海外に長期間滞在する場合には、税務や社会保険に関する取り決めが異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。

3親等以内の親族の扶養に加入している

3親等以内の親族の扶養に加入していることも条件となります。この条件には、具体的には配偶者、子供、親、兄弟姉妹などが含まれます。滅多にはありませんが、3親等を超えた方の扶養に加入しても控除は適用されないので注意してください。

派遣社員が知っておくべき年収の壁

派遣社員が知っておくべき年収の壁は、主に6つあります。それぞれの内容について解説します。

• 100万円の壁：住民税が発生する
• 103万円の壁：所得税が発生する
• 106万円の壁：社会保険へ加入可能になる
• 130万円の壁：社会保険への加入義務が発生する
• 150万円の壁：配偶者特別控除の減額
• 201万円の壁：配偶者特別控除の上限

100万円の壁：住民税が発生する

100万円の壁は住民税が発生するラインです。年収が100万円を超えると、住民税の課税対象となります。

住民税は、前年の所得に基づいて課税されるため、100万円を超える収入がある場合、翌年の住民税の支払いが必要になります。手取りの収入が減少する可能性があるため、特に扶養内で働くことを考えている派遣社員は、注意が必要です。

103万円の壁：所得税が発生する

103万円の壁は所得税が発生するラインです。年収が103万円を超えると、所得税の課税対象となり、税率が適用されることになります。

この金額を超えた場合、所得税の計算が行われ、所得に応じた税額が課税され、手取り収入がさらに減少する可能性があるため注意が必要です。

106万円の壁：社会保険へ加入可能になる

106万円の壁は、社会保険への加入が可能になるラインです。年収が106万円を超えると、健康保険や厚生年金に加入することができるようになります。ただし、加入は必須ではなく、自己判断によって決まります。

130万円の壁：社会保険への加入義務が発生する

130万円の壁は、社会保険への加入義務が発生する重要なラインです。年収が130万円を超えると、派遣社員として社会保険に加入する義務が生じます。派遣会社が健康保険や厚生年金の加入手続きを行わなければいけません。

社会保険に加入すると、将来的な年金受給の基盤が整う一方で、給与から保険料が差し引かれるため、手取り収入が減少することにもなります。

150万円の壁：配偶者特別控除の減額

150万円の壁は、配偶者特別控除に関連しています。この金額を超えると、配偶者特別控除の適用が減額されることになります。

配偶者特別控除は、配偶者の収入が一定額以下であれば、扶養者が税金の控除を受けられる制度です。年収が150万円を超えると、控除が減少し、家庭全体の税負担が増える可能性があるため注意が必要です。

201万円の壁：配偶者特別控除の上限

201万円の壁は、配偶者特別控除の適用が終了するラインです。つまり、年収が201万円を超えると、扶養者は配偶者特別控除を受けられなくなり、結果的に税金の負担が大きくなる可能性があります。

派遣社員が扶養内で働く方法

派遣社員が扶養内で働く方法は以下の通りです。

• 年収ベースで収入を計算する
• 扶養内で働きやすい派遣先を選ぶ
• 配偶者と相談をして収入を調整する
• 派遣元会社に伝える

それぞれ詳しく解説します。

年収ベースで収入を計算する

扶養内で働くためには、年収が130万円未満であることが条件です。そのため、実際の労働時間や時給を基に、年収の見込みをしっかりと計算する必要があります。

例えば、月に働く予定の時間数を把握し、それに時給を掛け算することで年収は予測できます。それが103万円を超えないように調整すれば、扶養内で働きやすくなるでしょう。

扶養内で働きやすい派遣先を選ぶ

扶養内で働きやすい派遣先を選ぶことも重要です。派遣先の業務内容や勤務時間、シフトの柔軟性などを考慮し、自分のライフスタイルに合った派遣先を選ぶことが必要です。

例えば、短時間勤務やフレックスタイム制度を導入している派遣先を選ぶことで、年収を抑えながらも自分の都合に合わせて働くことが可能になります。派遣会社に相談する際には、扶養内で働きたい旨を伝えましょう。

配偶者と相談をして収入を調整する

配偶者と相談をして収入を調整することも大切です。家庭の経済状況や生活費の計画を考慮しながら、配偶者と共に収入をどうするかを話し合うことで、扶養の条件を満たすための方針を決めやすくなります。

派遣元会社に伝える

派遣元会社に伝えることも欠かせません。自分が扶養内で働きたいという意向を派遣元の担当者にしっかりと伝えることで、適切な働き方やシフトの調整が可能になります。派遣会社は、派遣社員の希望や状況に応じた働き方を提案してくれるため、扶養内で働きたい旨をしっかりと伝えましょう。

派遣社員が扶養に入る流れ

派遣社員が扶養に入る流れは以下の通りです。

• 年収の確認
• 扶養に入る相手と相談
• 派遣会社と契約内容の確認
• 必要書類の準備
• 税務署・会社への申告

それぞれについて詳しく解説します。

年収の確認

まずは年収の確認が必要です。扶養内で働くためには、年収が130万円未満である必要があります。そのため、まずは自身の月収や勤務時間を計算し、年収の見込みを立てることから始めます。

例えば、月に何時間働くのか、時給がいくらかを確認し、その金額から年間の総収入を算出して、扶養内での働き方が実現可能かどうかを判断しなければいけません。

扶養に入る相手と相談

扶養に入る相手との相談も欠かせません。扶養に入ることで家庭の収入に影響を与えるため、しっかりと話し合うことが重要です。具体的には、扶養控除の適用や家庭の経済状況について意見を交わし、どのような働き方が最適かを検討しましょう。扶養に入らない方が良い場合もあります。

派遣会社と契約内容の確認

扶養内での働きを希望する場合、派遣元会社との契約内容を見直し、扶養内での条件に合った働き方を実現するための調整が必要です。具体的には、勤務時間やシフトの柔軟性、時給について確認し、自分の希望に合った働き方を伝えなければいけません。

必要書類の準備

扶養に入るためには、税務関連の書類を用意する必要があります。具体的には、扶養控除を受けるための申告書類や、年収を証明するための給与明細書などです。これらの書類を揃えておくことで、必要な手続きをスムーズに進めることができます。

税務署・会社への申告

最後に税務署や会社への申告を行います。扶養に入ることを決定したら、税務署に扶養控除の申告を行い、先ほど用意した書類を提出すれば、扶養に入ることが可能です。

派遣社員が扶養から外れる流れ

年収が130万円を超えると、社会保険の加入義務が発生し、自動的に扶養から外れます。特別な手続きを行う必要はありません。扶養に入っているつもりが、外れているというケースも考えられるので注意してください。

扶養内で働ける派遣先を探すなら「アスタワーク」を活用しよう

出典：アスタワーク

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もちろん、扶養内で働きやすい仕事も存在します。派遣先と相談をすれば、働く頻度を調整することは可能です。自分のライフスタイルを重視しながら、マイペースに働きたいと考えている方は、ぜひアスタワークを活用してみてください。

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派遣社員が扶養内で働くためには相談が大切

派遣社員が扶養内で働くためには、派遣元との相談が欠かせません。事情を伝えれば、無理に扶養から外させようとはしないでしょう。派遣元会社と密に相談をしながら、自分に合った働き方を探してみてください。

木村：KIMURA/ アスタリスク、人材戦略グループ長　広告・人事担当

PROFILE：木村瞳。1985年生まれ。岡山県出身。大学卒業後ユニクロに入社し、採用や育成を担当。現職のアスタリスクへ2014年入社。面接や育成は通算15年以上携わっています。アスタリスクに入社してからは数多くの企業様へ訪問し人材コンサルの支援をさせて頂いています。その経験を活かし、現在は管理職として、幅広い職種の方の転職をサポートしています。

MESSAGE：取引先にも求職者の方にも忖度しないこと。良い情報も悪い情報も、お話しし、その方にとって間違いのない選択。リスクの低い選択をご提案できるように心がけています。