派遣の契約更新は関係者それぞれの意思を確認して更新されるため、派遣スタッフの意思で更新を断ることが可能です。本記事では円満に派遣の契約更新を断るポイントや次の仕事に向けた動き方について解説します。派遣先との契約を迷っている方は、円満に断ることができるよう本記事を参考にしてみてください。

派遣の契約更新とは  

派遣の契約更新とは派遣社員が派遣先の企業でこの先も働くか、別の派遣先に変更するかを確認することです。一般的に契約期間終了の30日前に契約の意思に関する確認が行われます。契約更新は派遣元と派遣社員の間で行われ、派遣元から派遣先へ確認した結果が伝えられます。

契約更新はしなくても問題ない

派遣社員の立場から契約更新について検討した場合、更新しないことによる関係者への迷惑を考えるケースがありますが、契約更新しなくても全く問題ありません。また契約の自動更新は違法となっており、派遣契約に関する派遣社員の意思が尊重される仕組みになっています。

契約更新を断る際に円満に進めるポイント

派遣契約の更新を断わることは自由ですが、関係先への伝え方に問題があったり、対応が良くなかった場合に関係が悪化してトラブルになる場合があります。円満な関係のまま次のステップへ進むために以下のポイントを押さえて、契約しないという意思を上手に伝えましょう。

• 派遣元の担当者に伝える
• 1か月前までに伝える
• 更新しない理由は正直に伝える

それぞれについて解説します。

派遣元の担当者に伝える

契約更新についての意思を伝える際は、まず派遣元の担当者に伝えるのがマナーです。現在の職場である派遣先に直接、意思を伝えておきたいかもしれませんが、最終的に派遣先と派遣元の間で契約手続きを行うものなので避けるべきです。

退職の挨拶は企業同士の手続きが済んだ後、情報がオープンになった状態で行いましょう。

1か月前までに伝える

派遣先との契約更新の時期が近づいてきたら、一般的に派遣元から更新の意思に関する問い合わせがきます。すでに更新しない意思が決まっているのであれば、最低でも1か月前までに派遣元に伝えるのがマナーです。

直前に更新しないことが決まった場合、新しい人材を手配するために時間がかかってしまうので、ポジションに欠員が生まれないよう前もって意思を伝えましょう。

更新しない理由は正直に伝える

更新しない理由について派遣元から聞かれた場合は、正直に答えましょう。派遣元の担当者は派遣社員の適性をみて職場を決定するため、不具合や問題について伝えておいた方が、次回の職場選びに活かすことができます。

ただし個人的すぎる理由は派遣元との信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があるため、社会通念上、常識的な範囲のものに限って伝えるようにしましょう。

契約更新しない理由の例

派遣元に契約更新しないことを伝えるのが当然の権利であるといったものの、いざ理由を伝える際にどういった理由を伝えたらいいか困る場合があります。

ここでは以下の派遣元に契約更新をしない理由の例を紹介します。

• 一身上の都合のため
• 自身のスキルアップのため
• 他業種での就労を目指すため

内容を参考にして派遣先に納得してもらえるように、文言を考えておきましょう。

一身上の都合のため

理由として無難な言い回しなのが一身上の都合のためという理由です。個人的な理由ではっきりと言えない場合に良く使用されます。契約更新は本人の意思にまかされるため、提示する理由として問題はありませんが、具体性にかけるため追加で質問を受ける場合があることに注意が必要です。具体的な回答ができない場合に使用される言い回しです。

自身のスキルアップのため

現在の職場ではスキルが磨けないと判断した際に、スキルアップを理由に派遣先を変更するケースがあります。前向きな理由であり、派遣元の担当者にも納得してもらいやすい理由です。ただし具体的にどのようにスキルアップしたいのか、どのような職場を希望するのかといったことを答えられるようにしておく必要があるので、事前に内容を考えておきましょう。

他業種での就労を目指すため

他の業種で働きたいということも、契約更新をしない理由として一般的です。現在の経験を活かせる場合はスムーズに次の職場がみつかるかもしれませんが、全く未経験の業界の場合、職場が見つかるまでに時間がかかる場合があります。時間を見つけて目指している業種に適した人材になれるように、勉強や努力をしておきましょう。

契約更新しなかった際の次の仕事について

契約更新しなかった際の次の仕事に関しては、以下のような選択肢があります。自分の生活を守るためや次の職場で活躍するために、選択肢を理解して準備を進めましょう。

• 現在の派遣会社のまま別の派遣先を探す
• 正社員で働く
• 他の派遣会社を探す

それぞれについて解説します。

現在の派遣会社のまま別の派遣先を探す

現在の派遣会社で別の派遣先を探す場合、次の派遣先が見つかるまで待機することになります。有期雇用の場合はこの間の給料は支払われないため、事前に理解して準備しておくことが重要です。次の派遣先決定までの期間は一般的に1か月程度とされています。

安易に契約更新を断った場合、収入が途絶えて生活へ影響してしまうリスクがあることを理解しておきましょう。

正社員で働く

派遣社員ではなく正社員といった違う雇用形態で働くという選択肢もあります。派遣社員での業務で得た経験を元に、正社員として働くことは珍しいことではありません。派遣先で活躍できていれば、正社員として登用されることもあります。現在の職場で派遣社員から正社員で働くことを視野に入れている場合は、派遣元に正社員登用した実績があるかどうか確認しておくといいでしょう。

また紹介予定派遣といった、正社員や契約社員として派遣先の直接雇用になることを前提に派遣契約を結ぶ方法もあります。紹介予定派遣は最長で半年間程度、派遣社員として雇用契約を結んで働くシステムです。働きながら正社員を目指す方法を探している方にとって紹介予定派遣も有効な手段です。

他の派遣会社を探す

現在の派遣元に不満がある場合は、違う派遣会社と契約するのも有効な手段です。紹介できる派遣先企業の種類や福利厚生に違いがあるため、希望に合った条件の派遣会社を選んで契約しましょう。

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派遣の更新は自身の意思で選択することができる

派遣の契約更新は派遣先と派遣スタッフの双方の合意の上で契約が行われるため、自分の意思で断ることができます。円満に契約更新を断るために、契約期限までに余裕を持って派遣元に伝えることが重要です。期限直前に伝えると派遣元と派遣先双方に迷惑がかかる上、次の仕事の紹介まで間があいてしまう可能性が高くなります。これから派遣の契約更新を控えている方は、本記事を参考に進めてみてください。

木村：KIMURA/ アスタリスク、人材戦略グループ長　広告・人事担当

PROFILE：木村瞳。1985年生まれ。岡山県出身。大学卒業後ユニクロに入社し、採用や育成を担当。現職のアスタリスクへ2014年入社。面接や育成は通算15年以上携わっています。アスタリスクに入社してからは数多くの企業様へ訪問し人材コンサルの支援をさせて頂いています。その経験を活かし、現在は管理職として、幅広い職種の方の転職をサポートしています。

MESSAGE：取引先にも求職者の方にも忖度しないこと。良い情報も悪い情報も、お話しし、その方にとって間違いのない選択。リスクの低い選択をご提案できるように心がけています。